[コラム] いしだのおじさんの田園都市生活
第11回 田んぼとの関係性
田んぼはみんなの財産。
稲作は、(今や)社会的事業。
横浜にとって、も、日本人にとっても・・・
(いや、今という時代、
「みんな」とか、
「日本人」とか、
そういうことが、どんどんアイマイになって、
流れてしまっている時代のようであるが・・・)
「ひねもす」に度々書いているが、
身近に田んぼがあることは、とってもシアワセなことだ。
ただ、そこにいて見ている、
だけ、でもいい。
電車や車の窓から見ているだけでも、それでもいい。
「見る」ことを意識することが大事。
「ある」こと、「見る」こと、
私と田んぼ・・・
さらに、近づいて、
田んぼを渡ってくる風を感じたり、
稲や泥に触れてみる。
生き物にも・・・
そして、想像力をつかい、
米作りをしている人たちに思いをはせてみる。
先祖代々にわたってそこに人が生きて、
汗をかいて、稲を気遣い、収穫を喜び、食べて、
そうやって命をつないできたことを思う。
そして、そして、
自分で実際に田んぼに入り、
手も足も泥に触れて、
水と稲と生き物と交歓してみる。
汗をかいて、稲を見つめ、米を収穫し、食べる。
食べながら、稲の育ち、自分や仲間の働き、泥の感触、風、汗
・・・そんなものを思い出してみる。
米が稲だったころを思い出す。
さらに、稲が苗だったころ、苗が籾だったときも・・・
田んぼの周りの自然の遷り変わりも・・・
米がモノであるならば、それはスーパーでもコンビニでもお金と交換できる。
金さえ出せば、手に入る。
しかも、たいした金が必要なわけではない。
(今はなんとか・・・、10年後の保障は無い)
安売りの米、高級な米、いろいろある。
しかし、自分でかかわった米はそうはない。
それは、「売っている」モノでも、「買える」モノでもない。
籾と苗と稲と田んぼと私と汗が「関係性」を持った米。
1kgがいくらするとか、
何処何処産の何々(U産K)などというブランド、とか、
いや、もちろん、食べて美味い、とか、
そういうことに価値が無いわけではない、が・・・
自分という存在と関係性のある米。
食うと食われるじゃなくて、
いっしょに生きてきた、というような、
そういう関係性・・・
横浜市が田んぼで米を作ることに対して、
「水田保全契約奨励」という制度をスタートさせた。
横浜市で稲作をしていること自体に補助をするということ、だ。
水田が、
洪水防止、温暖化防止、大気浄化、景観・文化、生物多様性などの多面的機能を持ちながら、
収益性が低いために埋められたりしてしまうことを防ぐ、
と、いうものだ。
(横浜市のホームページ参照)
横浜で田んぼを作ることの赤字を埋める制度と言ってもいいだろう。
米どころでは考えられないものだ。
面積はきわめて小さいが、
学校水田やグリーン、な~に谷っ戸ん田のことも触れてほしかった。
田んぼには、人と自然を結びつける力がある。
人を感動させ、稲と共に育てる力がある。
それは、横浜のような都市でこそ有効だ。
「多面的機能」のなかでもいちばん大事なものと私は思っている。
まだ少数派かもしれないが、
私は主張し続けるつもりだ。
田んぼ、稲、米と人、汗、労働の関係性について・・・
横浜で田んぼを守る一つの方法として、
「みなさん、自分の食べる米を自分で作ろう!」と。
田んぼと、稲と、関係性を持とう、と。
生命と生命の関係性こそ「守るべきもの」だと。
(いしだのおじさん)
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